はい、チーズ

昨日来られたご婦人が小さい頃、写真を撮るたびに、お母様から「おちょぼ口して、おちょぼ口して、おしゃべりせずにおちょぼ口して」と、言われたそうです。
「へえー、おちょぼ口なんて言葉、若い人に言っても、通じないわネ」
「いつから、はい、チ-ズと言うようになったのかしら」と、会話が弾みました。
「はい、チ-ズ」といえば、前の店での想い出があります。
ある晩、若いカップルが犬を連れて、お食事に来られました。
犬も家族の一員なので、一番奥の目立たない席をご用意しました。
どの種の犬か忘れましたが、背が高く鼻も足も長い、イギリス紳士がゆったり歩くような、おとなしい静かな犬でした。
お二人のそばで伏せをして、お行儀よく、食事が終わるのを待っていました。
食後、記念撮影を頼まれ、私が「はい、チ-ズ」と、言うとその犬が初めて「ワン」と、ひと声吠えました。
チ-ズが大好きで、思わず吠えたそうです。
お二人に叱れ、皆にも笑われ、うなだれて帰る様子がなんとも可愛く、2時間の食事中、あんなにお利口にしていたのにと、いじらしくなりました。
今、思い出してもほほえましい光景です。