西瓜売り

毎日暑い日が続きます。
今日は、無性にスイカが、食べたくなって、冷蔵庫がいっぱいになるのも忘れて、スイカを買ってしまいました。
今は、どこでも切った物が売っていますが、昔は、丸のまま買って、井戸で冷やして食べたものです。
朝早く、リヤカ-を引いて朝採りの野菜やスイカを売りに来るおじさんがいました。
祖母は、玄関先に陣取って待っていました。
姉と私も横に座って、待っています。
おじさんがスイカを5-6個おばあちゃんの前に並べます。
ポンポンと叩いて、「はい、これにしまひょ」と、言います。
ある時おじさんが、「こっちが、いいよ」と、言いました。
おばあちゃんは、ポンポンと叩いて「アァ棚おちや、あきまへん」と、返しました。
ポンポンと他の物を叩いて「こっちに、しまひょ」と、言います。「いいや、こっちがええ」と、おじさんも負けていません。
「そんなに言うなら、二つ切ってみなはれ」と、包丁とまな板を持って来る様、姉に言いつけました。
私は、食い入る様にスイカを見つめ、ポンポンと、叩いて見たけれど、わかりません。
おじさんが、二つに割ると、おじさんが勧めたスイカは真ん中から、棚落ちしていました。
「それ、みなはれ」と、おばあちゃんは涼しい顔をしています。頭をかきながら「ごりょんさんには、かないまへんな-」と、降参して「お嬢ちゃん、こっちも食べてなぁ」と、置いて帰りました。
ポンポンと澄んだ音がしていた様な気がしますが、…
忘れてしまったのは、残念ですが、おばあちゃんが選んだスイカの味は、今でも鮮明に覚えています。